2005年12月09日

第35話 「空の夢」

あなたは、空の夢を見た事がありますか。
大空を自由に飛び回る、翼の夢を。
びゅうびゅう吹く風の中、翼に一杯風を受け止めて、空を舞う夢。
私は、毎日のように見ています。
今までも、そしてきっとこれからも。
それは楽しくて、心地よくて、自由な夢。
そんな夢を私はいつも見ています。

あなたは、そんな夢を見た事がありますか。
見た事がないなら、ぜひ見してあげたないなぁと思います。
きっと、はまっちゃいますから。
でも、人の夢って、普通見れませんよね。
見れない事もないらしいのですけど、私にはその見せ方を聞いてもちんぷんかんぷんです。
だから、見せれないのですけど……。ごめんなさい。
でも、そんな私の話を聞いてもらえますか。 もしかしたら、少しは伝わるかもしれないですから。
この青くて広い、大空を飛ぶ心地よさが。

では、また。お話できる日を待っています。
谷塚 早紀


この話、ほんわかしてて気が楽なので、書きたいんですけど、なかなか書けません。
うーん;

2005年11月20日

第31話 「ネココネコ」

晴れた昼下がり。
面倒な英語の授業が終わって、いつもどおり掲示板前に来た。
そして、いつもどおり子猫が、手で顔を洗うようにして掻いていた。
「よっ」
子猫に話しかけたところでこれといった反応があるわけもなく。
温かい日なたで、子猫はのんびりとしていた。
いつの間にか大学に住み着いていた子猫で、きっと生協あたりで余りモノをあげたりしてるのだろう。大学生ともなると無用にからかう輩もあまりいないのだろう、警戒心はほとんどない。
「おまえ、野良にはなれないよなぁ。いや、野良といえば野良なんだけどさ今も」
「にゃー」
大学という限られた空間だからこそ、こうやって無防備でいられる。養ってもらえる。でも飼われているわけじゃない。
この呑気な子猫がずっとここに入れる保証はない。こんな警戒心がなくていいのかと、思う。
もちろん、そんな警戒心を子猫が持つことは、悲しいことだし寂しいことだけど。
そんな子猫をしばらく見て、ゆっくりと踵を返す。
こうして、いつも通り帰る。子猫はのんびりと日向ぼっこをして、そして一日を終える。
いろいろと、うらやましいやつだと思う。

2005年11月01日

第24話 「水中の夢」

ふと、水面を見上げてみた。
光が降り注いでいて、ゆらゆらと揺らいでいる。
その先は見えない。白い光と、銀色のゆらゆらしか見えない。
時にその水面は、丸い波紋をたくさんつくり、暗くなるけど
今はただ、ゆらゆらと明るい光を通して揺らいでいる。

その先が、いつも気になるけど。
何度かは、その水面を突き破って外に出てみたんだけど。
ぼや~っとしてよくわからなかった。そして目が痛くなって、息が苦しくなった。
僕はたまらず水中に戻った。
あそこは僕たちの住める世界じゃないんだ。
気になってしょうがないけど、悔しいけど、僕はあの先に行けない。

ぼやけた視界の向こうは、様々な色に溢れていた。でも、それがちゃんと見えることはない。
そして目が痛いから、光が熱すぎるから、僕はまた水の中に戻る。
でも、またしばらくして、水面に顔を出す。水の中に戻る。
繰り返し、繰り返し、何度も、何度も。
僕は気がついた。ちょっとずつ、ぐちゃぐちゃの色しか見えなかった外の世界が、ちょっとずつもやが取れてきたことに。
僕は嬉しくなって、必死に水面と水の中を行き来した。
ばちゃばちゃと音を立てて行き来した。

気づいた時には、遅かった。
黒い影は容赦なく近寄ってきて、気づいた僕は必死に逃げた。
逃げた、逃げた。
でも、体の大きさが違いすぎるんだ。必死に泳いでも、逃げ切れるわけがなかった。
だめだ、と思った。
最後に水面に思いっきり飛び出した。
黒い影も、飛び出した。

そして、なにも見えなくなった。

2005年10月07日

第14話 「ここにいるオレ」

なあ、オレたちがなんでここにいるか、考えた事はあるか?
ここってどこかって? ンなもん好きに解釈しろよ。この星の、今お前がいるその場所だ。
なあ、オレたちはなんで今、ここにいるんだ? オレはその理由を考えたよ。頭わりぃけどよ。

まず考えたのが、オレが望んでここにいるのかってことだ。いや、オレはできる限りやりたいようにやってきたけど、オレは別にここにいたかったわけじゃねぇんだ。
じゃあさ、ここにいるのは誰かが望んだからなのか? オレ、これはよくわかんねぇんだ。もしかしたらそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そりゃ、オレがここに居るのはお袋が生んでくれたからで、そういう意味では望まれていたのかもしれないけどよ。でも、今現在オレがここにいるのは、お袋が望んだからでも、クソ親父が望んだからでもねぇや。

じゃあよ、なんでオレはここにいるんだろうな?
考えてもさ、オレ、バカだからさ、全然わかんなかったよ。
でもさ、一つだけわかったことがあるんだ。当たり前過ぎて、どーしようもねぇんだけどよ。
今オレがここにいても、明日のオレはここにいるとは限んねぇんだ。
だからよ、オレは夢ってもんがあると思うんだ。オレが明日もここに居るに決まってたら、夢なんてあるわきゃねぇもんな。
だからよ。居るうちにできることを精一杯やって、夢見て明日に行こうぜ。
オレはどうしようもねぇやつかも知れねぇけど、今日を後悔しながら生きるなんてごめんなんだ。

2005年10月03日

第12話 「風を切る」

風を切る、という言葉がある。速いスピードで走り抜けるときによく使う言葉だ。
本当は「空気」や「大気」を切るというのが正しいだろう。だって風が吹いてるわけじゃないんだから。

でも、この風を切るという言葉には、きっと意味があると思うんだ。
僕が速く走って得る風は、きっと止まっていては得られない風。
僕が作った風だから、切る事ができる。僕だけの風。
風は、自分で作らないと切れないんだよ。だから、風を切るって言うんだ。
誰かの作った風は、きっと僕を置いてけぼりにするから。
だから僕は、走るんだ。僕だけの風を切るために。

君は風が、好きかい?